ネタバレがあるので格納。
ストーリー:
ジュラル星人は、ある精神病院の院長の「世界を灰にして新しい帝国をつくる」との夢を実現すべく、ミサイルを提供してこれに協力をするが、発射寸前に研に阻止されるというものです。
いきなり「精神病院」というタイトルですが、今ではこの名称聞かないですね。
しかも、大きな鍵付きの病室に患者が監禁されていて、その患者も、膝を抱えて「えっへっへっへっへ」とニヤついてうずくまっている者や、ブラジャーを着け「うがー」と叫びながらフロントダブルバイセップスのポーズをキメているマッチョな老人、意識がもうろうとした状態の者(研)など、症例が異なると思われる人たちが同室に監禁されているような状態で、我々の未来の精神医療は、大きく後退しているものと思われます(なお、私の周囲には心療内科を受診している人や過去に受診していた人がけっこういますが、これらのような症例の人は見たことありません)。
また、研を見舞いに来たパパたちは、刑事ドラマに出てくるような、「面会室」というガラスで患者と見舞客が遮断されたようなところで研と面会しています。また、病院職員の態度もかなり高圧的です。
面会中、バリカンが「キタよ、キタキタキタよ」と言ったり「旅行けば駿河の国に茶の香り~」などと浪曲をうなったりするなどして騒ぎ出し、病院職員がこれに気を取られている間に、パパは研に「何か分かったか」と病院の内部の様子を尋ね、研は地下に秘密工場があるらしいと答えます。
会話中のパパの説明によると、パパは警視総監の依頼により、研を「こんなところ」に潜り込ませたとのことですが、パパのこの発言は医師としての職業倫理上いかがなものかと思われます。
その夜、研が地下に向かうと(どうやって施錠された病室から抜け出したかは不明)、そこにはジュラル星人のマークが付いた巨大ミサイルが屹立しており、院長の説明によれば、それは、「ヨーロッパの半分が無くなる」威力があるとのことで、ここで、院長の上述の夢が語られ、そこにいたジュラル星人は「そういうことに協力を惜しまないのが我々ジュラル星人だ」と言い、院長との意気投合ぶりが伺えます。
ジュラル星人が、「精神病院の院長が世界を灰にして新帝国樹立を夢見ている」という電波情報を、どのようにしてキャッチしたのかは不明ですが、そんな奴に関わらないで自分たちでミサイル撃った方が早いと思われます。
病院の地下からどうやってミサイル撃つんだ?との疑問はさておき、「目標はヨーロッパDA」との院長の命令によるミサイル発射寸前に、チャージングGOした研によってジュラル星人は射殺され、計画は頓挫し、院長はピストルで自害しますが、無茶苦茶な夢であっても、妄想しているだけであるなら命を落とさずに済んだと思われ、一抹の哀れみを感じ・・・・ないか別に。放っておいても何か別な方法でファッショぶりを発揮したろうし。
しかし、なぜ最初の目標がヨーロッパなんでしょうかね。
院長が留学中にバカにされたとか、変な病気を移されたとか、何かトラウマでも抱えているのでしょうか。
そういえば、頭の中に爆弾をしかけられたボルガ博士(第35話)も西ドイツの人だし、シリーズを通して米国の影が薄いように感じます。
まあ、普通に考えると、たとえ子供向けアニメの中であっても、まだ「米国にミサイル」という表現がはばかられる雰囲気でもあったんでしょうかね。今でもそうか。
・今回のジュラル星人側の人的損害1人(トータル67人)
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