ネタバレがあるので格納。
ストーリー:
ジュラル星人は、美少女(みゆき)に姿を変えて研に接近するが、バリカンがハーモニカで奏でる音楽で変身を解かれ、研に倒されるというものです。
冒頭、バリカンを乗せて自転車を疾走する研は、徒歩で帰宅中のみゆきに衝突してしまいます。とはいえ、衝突のシーンは直接的に描かれず、彼女が持っていたりんごが散乱する描写によりこれを表現しています。これはあたかも映画の手法のようです。
赤いりんごが地面を跳ねるカットに「あっ。困っちゃったわ。」との少女の声が被るシーンは、その真っ赤なりんごが何かの隠喩のようでもあり、子供向けSFアニメとは思えない淫靡かつ文芸的な描写にも感じられます。
何言ってんだ。
さて、同じりんごに差し伸べた手が触れてしまい、二人で顔を赤らめるといったお約束の展開を経て、研はこの少女にすっかり心を奪われ、バリカンを現場に置いて少女を家まで送るのみならず、日曜日に自宅に招待してしまいます。
第10話「バリカン大暴れ!」での教訓が全くいかされてません。
後日、研は家に招待した少女に、家族を紹介しますが、なぜかバリカンだけスルーしてしまいます。バリカンは、先日の研の仕打ちと相まって、研に対する不満を表現するかのように、ハーモニカをカオスに吹きまくると、突然少女が苦しみだし、ジュラル星人の正体を現します。
これは、第16話「殺人レコード 恐怖のメロディ」 の逆パターンとも考えられます。
いずれのパターンでも何らダメージを受けないバリカンには、「音」は分かっても、音楽という概念はインプットされていないものと推測できます。このことは、ラストシーンにおいて、もう一度同じ曲を演奏するように研に懇願にされたバリカンの反応が「もう一度吹けったって、もうダメだよ。」(すなわち、つい今しがた演奏した音楽を再現することができない)であることからも裏付けられます。
それにしても、音楽で人が狂ったり、異星人が苦しんだり、この作者は音楽というものに何かトラウマでも抱えているのでしょうか。
なお、正体を現し、窓から逃げ出したジュラル星人は、チャージングGOした研に背後から射殺されます。
自分が心を奪われた美少女の正体が実は凶悪な異星人であったとしたら、相当な精神的ダメージを受けそうですが、研は、ジェラル星人射殺直後に「ガールフレンドが出来たと思ったのになあ」とつぶやくくらいで、割とその辺はさらっとした性格の子供のようです。
・今回のジュラル星人側の人的損害1人(トータル56人)
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