ネタバレがあるので格納。
ストーリー:
ジュラル星人は、なぎさ先生をマインドコントロールし、見学先の海底都市を破壊させようとするが、研に阻まれるというものです。
冒頭、いきなり囚われの身となっているなぎさ先生がマインドコントロールを受けるシーンから始まります。スジガネ入りのサディズム嗜好の子供達は、この冒頭シーンから食いついたことでしょう(そんなガキいるか)。ここで、魔王らしき声で「乱暴にここへ運んだことを詫びよう」などと言っていることから、魔王のジェントルマンぶりが伺えます。また、なぎさ先生に対し「君は今からジュラル星人になるのだ」と言っているものの、実際には、後に研の変装シーンを見るだけで解ける程度のマインドコントロールをかけているだけであり、第35話「頭の中にダイナマイト」において、頭の中に爆弾をしかけられるボルガ博士とは扱いが随分違います。
さて、海底都市を見学中の研たちの前に、「海底局」なる組織の局長を名乗る男が現れます。
これがどのような組織であるか考えてみますと、
1.国家機関
2.地方自治体
3.第三セクタ
4.私企業
などが考えられますが、海底開発は一地方自治体や私企業の財源では困難と思われることから、国家的なプロジェクトと考えられ、国家機関であると考えるのが自然かと思われます(1)。
具体的には、現在の国土交通省に「都市地域整備局」なる局があることから、この省の未来の一部局と考えることができるでしょう。
もっとも、研達が見学をしている様子を見ますと、海底都市とは名ばかりで、実質は大規模水族館的なレジャー施設に見えなくもありません。そうすると、2以下の可能性も否定できません。もっとも、地方自治体ないし第三セクタがこのような施設に多額の財源を投じるには、再度のバブルが必要でしょう。
私企業の場合、これほどの投資をするからには、幅広い資金調達が必要であり、少なくとも株式の上場をしている企業であることが考えられます。銀行もこれほどの規模の融資をするには、そのくらいの与信を求めるものと思われます。そうであるなら、企業名を政府や地方自治体の機関と誤認をさせるようなものとすることは考えにくいと思われます。商標も取得できない可能性があります。
以上から、本ブログでは、新事実が判明しない限り、当面は1とさせていだきます。
さて、この局長はその地位や年齢の割にスケベ心が旺盛で、なぎさ先生が美人とみるなり、若手職員が頬を赤らめながら施設の案内をしようとするとこれを却下し、自ら案内を申し出るほどです。通常、当該日のスケジュールが予め詰まっているであろう部局のトップが、それらをキャンセルし、急遽見学の案内役をかってでるということは、この局長の職業倫理観はかなり低いと思われます。
これは、部外者であるなぎさ先生を、海底都市の枢要部(セントラルルーム)に案内していることからも伺えます。上記1から4のいずれの組織における部局のトップであるとしても、公務員であれば国家公務員法ないし地方公務員法上の、私企業であれば就業規則ないし信義則上の守秘義務違反に問われることになるでしょう。
のみならず、この局長は、セントラルルーム案内中に、マインドコントロールにかかったなぎさ先生の言うままに、海底都市への酸素パイプラインを止めるロボットがどれであるかを教え、これを操るコントローラーまで手渡しています。さらに、その過程において、局長の彩色が突如グレー単色となり、まるで原画に近い姿になってしまいます。これは、局長のやる気のなさを表現する演出でしょうか。
そんな姿のまま、なぎさ先生をお茶に誘う局長には哀れみすら感じます。
挙げ句の果てに、なぎさ先生の命令により、ロボット(12号)が酸素を止めるようとする緊急事態に陥っているにもかかわらず、劇中から完全にフェードアウトし、事態収拾を研に一任したまま、以後一切登場しなくなります。これほどまでに犯罪的とも言える職務怠慢は、むしろ清々しく感じるほどです。
なお、ロボット達に厳しい口調で命令を下すなぎさ先生の姿を見て、マゾヒズム嗜好の子供達は随喜の涙を流したことでしょう(だからそんなガキいるか)。
余談ですが、セントラルルームで稼働中のロボットたちが、なぎさ先生の命令(酸素を止めることや、部屋の機械を壊すこと)のままに動いてしまっているようですが、セキュリティ上、そのような命令には従わないようにプログラミングされているのが通常と思われます。
1987年の米国映画「ロボコップ」や浦沢直樹著「PLUTO」によっても、そのことが伺えます(って、B級映画とか漫画とか)。
潜水艦で作戦を見届けていたジュラル星人は、特に反撃することなく、研のスカイロッド号にて潜水艦もろともあっさり撃沈されてます。
ラストの、「毎日泉君に送ってもらうわ」との、なぎさ先生の申し出に「それはぁ・・・えへへへへぇ」などと言っている研の表情は、第10話「バリカン大暴れ!」における「だってぇ、ぼく、困っちゃうなあ」と同様のうざさを醸し出してます。
・今回のジュラル星人側の人的損害1人(トータル39人)
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