ネタバレがあるので格納。
ストーリー:
ピアノ教室の講師に化けたジュラル星人は、生徒のキャロンに対し、深夜3時に研を殺すようマインドコントロールを施すが、研に気付かれて返り討ちにされるというものです。
冒頭、いきなりピアノ講師の模範演奏(ニコ動での愛称は「キチガイピアノ」)から始まります。楽譜もなく、思いつきで弾いているとしか思えません。それをキャロンに弾くように指導しますが、これを耳コピーして弾くのはかなり難度が高いと思われます。
案の定、キャロンは間違えてしまいますが(ちなみに、間違えても元の演奏と大差ありません。)、講師は間違えそうになったら時計を見るようにと意味不明な指導をし、キャロンが見ると、時計から顔を出している雀のような鳥の目から催眠波が発生し、講師が「今夜3時お前の兄さんを殺すのだ」と指示します。
その夜、キャロンの就寝中、講師の激しいキチガイピアノ演奏がオーバーラップします。仮に催眠状態ではなく、通常の精神状態であっても、こんなことをされたら心神耗弱状態に陥ってしまうかもしれません。
時計が3時を指すと、講師が「さぁ、3時だ。チャージマン研を殺すのだ。君の兄さんは悪い人間なんだ。」と指示します。講師自体は教室にいるのですが、遠隔でもその演奏や声はキャロンに届くようです。
なお、タイトルには鳩時計とありますが、キャロンの部屋にあるのは盤面のみの壁掛け時計であり、いわゆる鳩時計ではなく、鳩時計と共通する部分は時報音(鳩の鳴き声)だけです。未来社会では時報に合わせて顔を出す鳩の機械仕掛けがなくても、音声が鳩であれば鳩時計と呼称しているのかも知れません。
キャロンは指示に従い、台所から包丁を持ち出して研を襲撃しますが、キャロンの不審な挙動を目撃していたバリカンが襲撃の直前に発した奇声により研が気付き、ジュラル星人の暗殺計画は未遂に終わります。
バリカンは、たまたま台所で何か丸い物をつまみ食いしていたために目撃者となったのですが、シリーズ中において、バリカンが人間と同じ物を食べている姿がよく描かれています。
それに加え、今回の「つまみ食いは格別美味しいや。」に留まらず、シリーズ全体を通して極めて人間くさい言動が多く、「ロボット」との設定に違和感を感じざるを得ません。
パパが医師であることに鑑みると、個人的には、手塚治虫作品の「ブラックジャック」におけるピノコ的存在ではないかと考えております。
実際は、研の兄であるが、何らかの事情であのような姿となり、道化を演じながら要所で研を守っているのかもしれません。
さて、「悪い人間は殺してやる!」と叫びながら研を襲撃したキャロンは、騒ぎに駆けつけたママの強烈な張り手により正気を取り戻します。この一連の襲撃シーンは、キャロンが研に馬乗りになって包丁を振りかざすカットがあるなど、けっこうハードであり、そのキャロンの姿に楳図かずお著「のろいの館」に登場する赤ん坊少女タマミを重ねたのは私だけではないかもしれません。
正気を取り戻したキャロンが泣きながら事情を話すと、研は「これはきっとジュラル星人の仕業に違いない」といつものように即断、ピアノ教室に乗り込むと、そこにいたジュラル星人を皆殺しにします。
あくまで私見ですが、「キチレコ」を始めとして、研は身内がからむ場合には、ジュラル星人と即断する傾向が高いように感じます。もし、パパに裁判所から医療過誤事件の期日呼出状が届いても「ジュラル星人の仕業に違いない」と言うなり法廷に乗り込んでアルファーガンを乱射しかねません。
なお、この戦闘においても、ジュラル星人は、目からビームを研のメットで防御されており、第37話「ハイジャックをやっつけろ!」でも触れましたとおり、相変わらず学習能力がないようです。
・今回のジュラル星人側の人的損害3人(トータル161人)
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